2009/09イタリア旅行記:vol.2 ローマ一日目

vol.1 自宅→成田→ローマ:フィウミチーノ空港
vol.2 ローマ一日目
vol.3 ローマ二日目
vol.4 ローマ→フィレンツェ一日目
たまらなくアウェイ感に苛まれた一日。テンパってて、かなり余裕無い感じでした。その割には色んな所行ってるけど。あ、名所についての解説なんて全然ありません。代わりに写真はバカみたいにあります。

 ようやくローマの中央駅であるテルミニ駅に到着。横浜で言う横浜駅みたいなものだと思う。ムッソリーニによって建てられたこの駅はすごく広いけれど構造は割とシンプル。ホームがだーっと横に20本くらい並んでて改札は無し。切符買ったら黄色い刻印機に切符を入れて刻印すればおk。新宿駅みたいや秋葉原駅みたいに複雑怪奇な構造ではないのである意味わかりやすい。改めて日本の大型の駅はダンジョンだと思う。ただ、電車はどこのホームに入ってくるか細かく決まってないので電光掲示板で自分の乗る電車がどこのホームに入ってくるかをチェックしておかなきゃいけない。
ちなみに私が乗ったレオナルドエクスプレスが到着したホームはテルミニ駅の入り口からかなり遠く、ひたすらスーツケースを押して人の流れに沿って歩いていた。ホームが終わって駅の入り口付近はバール(イタリアのカフェの様でカフェではないお店。カフェとバーとあとなんか色々くっついてイタリアアレンジしたようなお店。イタリアのそこかしこにある。詳しくはググって下さい)や売店、券売機など他にも色んな施設があるけれど、とにかく荷物を置いて一息つきたい私はひたすらローマでの宿場を目指して歩く。つか、まだお店に入る勇気が無かっただけ。
 広い構内を抜けてローマ市内へ。朝も10時くらいを過ぎていたのでそれなりに人はいるし、車も通っている。外国だーと思いながら宿場からの案内に書かれている道を進む。道が石畳になったのでスーツケースが運び難くて若干涙目。歩道と車道の段差も激しい。空港に到着した時は雨が降っていてかなり憂鬱になったけれど、テルミニ駅に着いたら止んでいた。曇っていたのでローマの第一印象は「灰色」。
 少し迷ったものの、どうにか宿場に到着。早朝到着で荷物を置かせてもらうことは事前にメールで連絡してあり承諾済み。
今回は初海外ということで最初の宿泊地であるローマでは日本人の方が経営しているB&B(ベッド&ブレックファスト。ホテルに比べると簡素で安価な宿泊施設。でも安いホテルとあまり変わらないかも)の「Diocleziano B&B」にお世話になることにした。予約は日本語で大丈夫だったし、ローマパスなど(後述)も手配してもらって大変助かりました。やっぱり異国の地で日本語が通じるというのは大変心強いです。
建物のインターフォンを押すとB&Bの経営者であるマキさんが下に迎えに来てくれてB&Bのダイニングで地図とローマパスを受け取る。荷物も預かってもらった(他にも預かっていると思われるスーツケースが多数あった)。
地図を広げてローマのざっくりとした説明、スリなどへの注意を聞く。私の防犯対策はまぁまぁだったらしい。以下に私の取った防犯対策をまとめてみました。

  • パスポート、現金(ユーロ、日本円共に)は首から下げるタイプの貴重品入れに入れて首から下げて服の中へ。
  • でもそれでは不便なのでどうでもいいボロ財布(弟のお古)に取られてもいいくらいの金額(私は一日30〜20ユーロくらいを入れておいた)を入れてボトムの前ポケットか、持ち歩く鞄の背中側のポケットへ。尻ポケットは危険。お金が足りなくなったらトイレの個室かホテルの部屋で補充。
  • よく使うコイン類なんかは直でボトムのポケットに入れておく。
  • 日本の携帯電話も狙われやすいので、使わない時は鞄の中へ。
  • よく使うカード類(地下鉄やバスのパスなど)はボトムのベルトに付けた携帯電話ケースに入れておく。
  • 地下鉄やバス、人混みの中で立ち止まる時などは鞄を前で抱える。
  • 日本でしか使わないもの(銀行のカード、免許証など)はスーツケースへ。
  • スーツケースは鍵のかかるものを、出来れば自転車のチェーン付きの鍵とかで部屋の固定物に繋いでおく。部屋の掃除をするのは経営者ではなく貧困層のバイトだったりするので。疑っているようで少し嫌なんだけれどしょうがない。

 など。
 東洋人・一眼レフカメラ・地図やガイドブックを見ている、という時点で地元の人を装うのは不可能なので、観光客だとバレている=狙われているという前提での防犯対策です。
 その後、主な観光地、近場のスーパーなどの場所も教えてもらい、ローマパスの使用範囲などのレクチャーを受ける。
 ローマパスって言うのはローマ市内の観光・交通の割引チケット。有効機期限は三日間で23ユーロ。市内のバス・地下鉄・トラム乗り放題、主な観光名所・美術館が二箇所無料(以降の場所は半額になったり)。余裕で元取れます。ローマ観光に行くならローマパスは断然お得です。詳しくはググれば良いと思う。

ちなみにこんなの。家で撮影w

封を切って開いたところ。上のカードが観光地用、下のカードが交通機関用の磁気カード。あと地図とかがセットになってる。
 ジュースをご馳走になり、お土産(先生のお店で買ったフィナンシェ。とても喜ばれて嬉しかった)を渡して一休みしてたところでダブルブッキングのお知らせktkrwwwwwwwww
という訳で私はこのB&Bから歩いて三分くらいのホテルに泊まることになりましたw
待遇が下がった訳でもなく、差額はいらないとのことなので承諾。っていうかこういう時、駄々をこねても誰も得しないような。
現金を持っているのが少し怖かったので宿泊費二泊分は前払いしてついにローマ市内へ恐る恐る出発。
 出発したは良いけれど、私の中に詳細な観光プランなどあるわけも無く、明日はヴァチカンに行くからとりあえず今日は逆方向にあるコロッセオに向かうことに。コロッセオ・パラティーノの丘の入場料はローマパス有効範囲内の中でも11ユーロと特に高く、一番最初に行くのには持って来いの場所なのです。ちなみにヴァチカン美術館はローマパスの有効範囲外です。ヴァチカンはイタリア(ローマ)じゃないから、だそうな。
 早速ローマパスを使い地下鉄でコロッセオへ。
ローマの地下鉄はA線とB線の二種類。観光的にはB線はコロッセオ方面、A線はトレビの泉〜ヴァチカン方面って覚えておくといいかも。両方ともテルミニ駅から乗れる。A線の方が車両が新しくて綺麗、B線はラクガキで全面ペイントされていて車両も古くて怖かった。どっちも日本の地下鉄に比べるとホームも駅構内も車内も入り口もなんか暗くて怖い。慣れれば平気だろうけれど。椅子はスタジアムの椅子みたいな固い椅子だった。
ちなみに地下鉄には改札があります。カードを入れる方式の自動改札でローマパスの乗り物券の方を入れればOK。でも良く見てたら地元のヤンキーみたいなのが余裕で改札飛び越えてた。
初めての地下鉄に戦々恐々としながらローマコロッセオ駅に到着。早速観光客が溢れています。

ほとんど観光客。

ほんとに目の前にある。
 飛行機を降りてからまともに固形物を食べておらず、お腹が空いていたのでコロッセオの前のオープンテラスのお店でパニーニとエスプレッソとミネラルウォーターを注文して食べる。座ってる人はあまりいなくて、他の観光客は駅の入り口の売店でパニーニを立ち食いしてたけれど、私はちょっとお疲れ気味だったので座ることに。

 全部で10ユーロ超えたような。さすが観光地、ちょっと高い。コロッセオを眺めながらイタリア国内での初食事。
味はまぁ、普通。不味くはない。エスプレッソは美味しい(どこ行っても美味しかった)。水が高い。量が多かったのでしばらく道行く人を眺めながらゆっくり食べていた。それでもかなり腹いっぱいに。
そろそろ行くか、ということで横断歩道を渡ってコロッセオの近くへ。コロッセオの周りには土産屋とか移動売店とか馬車とかコスプレイヤーとかが観光客に混じってぽつぽつと居る。
ローマの名所には絶対と言って良いほど居て、多くの観光客が利用するであろう移動売店(車の屋台みたいな?)はファンタオレンジ(500ml)3ユーロとか見事に観光地価格なのでなるべくは利用したくないんだけど、たまに背に腹を変えられずに利用することになる。まぁ、どこにでも居るから便利と言えば便利なのかも。
馬車は観光用。鎌倉や横浜に居る人力車みたいな位置付けかな。
コスプレイヤーは一緒に写真を撮ろうと声を掛けてくる。もちろん有料。この人たちはこれで生計を立ててるのか? 割と人気みたい。アメリカ人っぽい人達に人気だった。
 コロッセオの入場口にはそれなりに長い列が。私はローマパスを持っているのでその列をスルーして専用の入り口から入場出来た。ローマパス万歳。
入り口から






何かの企画展示をやってた。





上に上がって外に出る。














 やっぱり中が圧巻だな。そしてカメラは日本製品の天下だな。カメラを手にしている人は本当に多かったけれど、フィルム・デジタル問わずニコンキヤノンソニーオリンパスペンタックス……最後の日まで日本製品以外のカメラを見つけることは出来なかった。
 手摺に寄り掛かりながらコロッセオの内部を眺めて、あそこから剣闘士が出てきてライオンとかと闘ったりしたのかなぁ、などと思いを馳せる。
 天気は曇りだったので涼しくて良かった。でも周りの観光客は半袖かノースリーブとかで私、どう見ても厚着っ子www
いや、私は丁度良かったんだけど、周りが薄着過ぎるんだよ!
 コロッセオを二周りほどして満足したので外に出る。若干道に迷いながらもパラティーノの丘へ向かう。
途中、ヨガにありそうな柔軟なポーズで地面にうずくまり、慈悲を請う人を発見。合わせた手の前に置かれた缶にはほとんどお金は入っていなかった。日本ではあまり見かけなくなったけれど、この手の人たちはこの旅行では色んなところで見かけた。
 凱旋門を過ぎてパラティーノの丘へ。遺構・廃墟好きとしてはwktkしながら足取りも軽く進む。

緑とアースカラーの建物の対比が素敵。

更に進む。











更にry。いつの間にかフォロロマーノに。







で、出口はどこですか……

 寝不足+水分補給無し+異国で緊張状態という三重苦に陥っていた私はついにファインダーを覗く元気もなくなり、ひたすら出口を目指す。数十分の放浪の末に出口発見。すっごく小さいただの扉だった。
 地図に寄るとこの扉を出て少し歩くとヴェネツィア広場方面に出るらしい。あれ、コロッセオ側の入り口からすっごく遠いぞ?
予定ではコロッセオとフォロロマーノを回ったらコロッセオ側の出入り口から出て近くにあるチルコ・マッシモに行く予定だったけれど、今までの道程を引き返す気力も無く、チルコ・マッシモは諦めて外に出る。
例の移動売店があったのでぼったくりを承知でファンタ・オレンジを買って教会の階段に腰掛けて休憩。コロッセオの前で食べた食事がやたら腹持ち良く、お腹は減っていなかった。
 古代ローマの迷宮を抜け、ローマ市内を散策。戻れないものは仕方ないのでヴェネツィア広場からスタートして近い順にめぼしい所を回ることにした。一応地図は持っているけれどもちろん、迷いながら。
あ、でもイタリアの町は通りや広場ごとに名前が付いていて、交差点や分かれ道にある建物には必ず広場や通りの名前が書いてあるので比較的、迷子には優しいです。ただ、街中にある時計の半分は時刻が狂っている。すごく意味ない。
ヴェネツィア広場。広場っていうかロータリーみたい。







コロンナ広場。ダリ博物館があるらしいけれど、全然ノーマクだったorz



パンテオン。ここ、マジすげぇ。













ナヴォーナ広場。四大河川擬人化噴水がある。









ポポロ広場。双子教会がある。





スペイン階段。人多すぎ。




合間合間の通り

















 ここまでベンチに座るくらいの小休憩くらいしか取らずぶっ通しで歩いてきたので流石に疲れ、スペイン階段から地下鉄(今度はA線)に乗ってバルベリーニ広場へ。
まだお店に入る勇気は無かった。
バルベリーニ広場

 そして近くにあるカプチーノ修道院へ。ここは室内が人骨で装飾されているという通称・骸骨寺です。写真は禁止なので撮ってません。
外は爽やかな大通り


 マジで人骨だらけだった。部位毎にまとめて装飾品にしている。頭蓋骨なら頭蓋骨だけ、とか。しかも薄暗くてかなり怖かったので前を行く屈強な白人男性観光客の裾を掴みそうになった。ここに飾られている骨は修道僧の方達の骨だそうで、とりあえず、私は怖かった。
この時点で16時くらいだったとは思うんだけれど、まだ日が出ていてかなり明るかったので地下鉄A線でテルミニ駅まで戻ってB線に乗り換えてチルコ・マッシモに行くことに。コインが不足していたので(日本円と両替してくれるのは5ユーロ札から)地下鉄の自動販売機で水を買ってお札を崩す。移動売店に比べたら良心的な値段だけれど、まだ高い。
背中に背負っていたメッセンジャーバッグのストラップを緩めてショルダーバッグのように横に抱えて地下鉄に乗る。用心のためにバッグに手を添えて(自分的には)ガッチリガードして車内のポールに掴まっていたら、地元のイタリア人だと思われる数名の方々から口々に「アッxxーxx(聞き取れなかった)」と言われる。雰囲気的には友好的ではないが、攻撃的でもない感じ。もちろん私はイタリア語が全然分からないのですごく曖昧に返事をしていたら「コイツ、わかってねーわ」みたいな感じで諦められた。
もしかして、と周りを見回すと浅黒い肌に黒い髪、ブランド物のサングラスを掛けた二人組が私のすぐ横でニヤニヤ。こ、これはまさか、と背筋に冷たい汗が。丁度テルミニ駅に着いたので電車を飛び降りる。あれってもしかして、アレじゃね? イタリアの観光地には吐いて捨てるほど居るっていうスリじゃね? と内心ガクブル。もう地下鉄を乗り換えてチルコ・マッシモに行く元気など無く、マキさんに連絡し、B&Bへやたら早足で戻った。
 マキさんに地下鉄での出来事を話したらそれは間違いなくスリで、周りの人達は
「アッテンショーネ:Attenzione(英語の「Attention」、注意しなさい、という意味)」
と言ってくれていたのだと教えてくれた。
ああやっぱり、と恥ずかしいやら怖いやら。疲労と緊張が、私から気力と体力を見事に奪い去っていった。手配してもらった代替のホテルにマキさんに連れて行ってもらい、部屋に辿り着くと、コロッセオ以来、食事らしい食事をしていないのに外に出る気にはさらさらなれなかった。
シャワーを浴びて、部屋の冷蔵庫に入っていたファンタ・オレンジを飲んでカロリーメイトを食べて早々にベッドに潜り込んで寝た。
カロリーメイトをスーツケースに入れるときは
「一応持っていくけど、賞味期限が切れた頃に発見されるんだろうな、このカロリーメイトwww」
とか思っていたのにイタリア着一日目にして見事に完食だよちくしょう。
vol.3 ローマ二日目に続く。