2009/09イタリア旅行記:vol.1 自宅→成田→ローマ:フィウミチーノ空港

vol.1 自宅→成田→ローマ:フィウミチーノ空港
vol.2 ローマ一日目
vol.3 ローマ二日目
vol.4 ローマ→フィレンツェ一日目
片道ざっと24時間。成田は遠く、イタリアはもっと遠かった。
乗り換えがよくわからず手間取る。最終的に日暮里からスカイライナーに乗って二時間弱前に到着。
 スカイライナーを降りてすぐに旅行用品や外貨両替をやってるお店があったので首から下げるパスポート入れとマスク(インフル対策)を買う。健康には自信のある私ですが、飛行機と言う密室はちょっと怖い。貴重品入れにしようと事前に購入したアーバンツールのベーシックホルスターは薄い服装だとあまり意味がない状態になってしまうのでした。
ついでにユーロを少しだけ両替。1ユーロ=139円くらいだったと思う。窓口はけっこう人が並んでいたので、決まった金額(100ユーロパックとか50ユーロパックとか)を扱うお手軽な機械を使用。あまり大きいお札は使いにくい(お釣りが無かったりするから)と思ったので細かいお札が何枚かセットになったパックを一つだけ買う。
 そしてタイ国際航空のカウンターへ。かなり人が並んでいて、一瞬羽田の悪夢(搭乗手続きが遅過ぎて乗りそびれそうになった)が脳裏を過ぎったけれど、案外スムーズに進む。それでも私の乗るバンコク行きの飛行機は満席で、しかも私は手続きをしたのがケツの方だったみたいで決まった席は一番後ろの席だった。
 荷物はローマまで通しで預かってくれること、乗り継ぎの手順(って言ってもなんて書いてある方に進めばいいのかとかそういうこと)、帰りのミラノの空港でも同じように手続きすればいいのかなど、海外旅行経験者だったら当たり前のように知っていることをカウンターのお姉さんに聞きまくる。ちょwww私必死過ぎwwwwwそしてやっぱり言われる「英語通じますから大丈夫ですよ」。気分がズーンと重くなるのを感じた。ここでスーツケースとはしばしのお別れ。
 搭乗口が遠いので早めに出国審査に行って下さいね、とは言われたけれど一時間以上余裕があったので外貨を調達しに行く。結局、600ユーロくらいを持って行ったと思う。

両替したユーロ。ピン札のせいか、おもちゃっぽい
20、10、5ユーロ札を組み合わせて40ユーロくらいを旅行用ボロ財布に入れて残りはパスポートと一緒に首から下げた貴重品入れの中に。旅行中(寝てる間も)ずっとこの貴重品入れを首にかけていた(服の中にね)。
 外貨調達が終わってもまだ余裕があったので食事を取ることに。しばらくは日本食とお別れだと言う事を念頭に置いて選んだのはお茶漬け。
美味しかった。多分恋しくなるのは出汁と刺身と味噌の味だろうと思って全てをカバー出来るように注文。旅立つ前の最後の食事としては上々だったと思います。

 後は本屋さんぶらついたりして時間を潰す。最後の悪あがきでポケットサイズのイタリアのガイドブックを買ったりしてた。
 時間が迫ったので出国手続きに向かう。パスポート見せて普通にボディ&手荷物チェック。あっさり終了。出国手続き後エリア内のインターネット端末(100円/10分)で最後のmixi更新、売店でミネラルウォーターを買って搭乗口へ。既に人がいっぱい並んでいて私はまた最後の方に並んだ。偶然だと思うけれど、搭乗直前のチケットチェックをしてくれたのは搭乗手続きの時に質問攻めにしたお姉さんだった。「さっきはどうも」とか言いながら搭乗。客室乗務員さんは日本人と外国の人、半々くらいだった(ANAとのコードシェア便のため。ANAタイ国際航空は同じ航空連合スターアライアンスに加盟している)。乗客は9割日本人。その為、まだ外国に行くと言う気分は盛り上がらず。
 私の席は一番後ろの二つ並んだ席の通路側だった。隣同士になったご婦人と鞄の上げ下げをきっかけに色んな話をする。私は初海外だったのに対し、このご夫人は旅行経験豊富らしく、今回はバンコク経由でインドのカルカッタのお友達のところに行くという。かつてパキスタンと中国の国境付近でユキヒョウに遭遇したことがあるというそのご婦人から色々話を聴いて、私も色々話をしてココナッツカレーっぽい(二種類の中から選べたけどどっちも同じ系統だったと思う)機内食を食べて成田→バンコクへの四時間は割と早く過ぎ去って行った。
そしたらバンコク着陸寸前に飛行機が軽くジェットコースターっぽく上下運動を開始。騒然となる機内。私も流石に不安になり、おいおいマジで「隣に…」フラグかよと一瞬覚悟を決めるが無事、現地時間の深夜にバンコクスワンナプーム国際空港へ着陸。ちょっと前に反政府勢力が封鎖した空港ですね。新しくて綺麗。

発着をチェック。
 ここで私の三大旅の不安のうちの一つ、乗り継ぎというイベントをこなす時がやってきた。が、ほとんど乗継だったらしく(到着が深夜だったしね)、みんな同じ方向に歩いていく。私も例のご婦人と一緒に手続き終了。バンコクでのボディチェックでは腰のベルトまで外すように言われた。日本のチェックと一体何が違うんだろう?
ご婦人と私はまだ少なく見積もって二時間くらいは余裕があったので空港内のお土産屋さんを見たり、千円だけバーツに両替して生ジュース(150バーツ/約450円)を飲んだりして過ごした。
 そのうちご婦人の搭乗時間が迫り、お別れ。名前も聞かなかったけど、初海外の不安を和らげてくれた人だった。感謝。
 しばらく携帯の海外通信を試したり、写真を撮ったり、トイレに行ったり、ガイドブックを読んだりしていたけれど私の搭乗時間も迫ってきたので搭乗口へ。深夜のため、ベンチに横になってゴロ寝してる人がちらほらいた。なんかの会員専用のラウンジが続いているフロアを「いつかあそこに行きたいなぁ」と思いながら外から眺めながら歩いていたら、暇なのか二人でだらけてお喋りしている女性係員を見て何故か百合厨的にテンションが上がる。

搭乗口。綺麗。ゴロ寝している人多数。
 しかし、どう考えても後12時間飛行機に乗らないとローマに着かない事実を受け止め、軽く眩暈が。飛行機の中での暇潰しは電波とかバッテリーとか色んな問題があるので私は文庫本とガイドブックしか持って行かなかったけど、割と揺れるので、揺れる環境で小さい字が読めない私にはあまり役に立たなかった。映画もやってたけど大型スクリーンのみだったのでほぼ意味無。寝るしかない。それが一番。
 今度の席は白人系カッポーの隣、三人並び席の通路側だった。今回の旅において、私は飛行機の通路側以外の席に座ることは終ぞ無かった。通路側、トイレとか乗務員さん呼び止めるのに便利だからいいんだけどね。
 飛行機が飛ぶ前から隣のカッポーは起きてる間は五分に一回はちゅっちゅしているので私も負けずに腐った魚の眼で千早と(脳内で)いちゃつく。変な体勢で離陸を迎えてしまったため酔ってしまったのか、気分がとても悪く、一時間後くらいに出された機内食は半分くらい残した。
 元からブランケットは一人一枚あるんだけど、機内があまりにも寒かったのでもう一枚くれ、とおそらくタイの方だと思われるCAさんにカタコトの英語でお願いしたら
「は? 一人一枚だろjk。でも空席で余ってる座席の分を仕方ねーから貸してやる(意訳)」
って感じのことを幼児を諭すように言われてもう一枚もらう。ブランケット二枚装備で蓑虫状態になり、そのまま眠りに落ちる。途中二回くらい起きてトイレに行ったりしていた。二回目の機内食は完食。しばらくして飛行機はローマ・フィウミチーノ空港、別名レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港に早朝に到着。8時ちょっと前くらいだったのかな。ちなみにイタリアと日本の時差は平常時はマイナス8時間です(イタリアの時間が日本の8時間前)。

 飛行機を降りて、やはりそのまま人の流れに乗る。フィウミチーノ空港では降りてからまず、問答無用でモノレールに乗り、その後入国審査だった。ちなみに空港の第一印象は「汚い」。ゴミとか落ちてるし。あと多分、古いんだろうな。
 入国審査ではEU圏とそれ以外に別れて並ぶ。一生懸命自分で考えた合ってるかどうかわからない英語の例文を脳内リピートしながら並んでいたけれど、有名な土管工の弟の方を横に二倍膨らませたような係員にパスポート出してスタンプ押されてパスポートを投げ返されて終了。まぁ、こんなものなのか。一応、「グラーツィェ(伊:ありがとう)」とは言った。係員の人たちは隣のブースの係員とお喋りしたりしながらスタンプを押していて、ああ私はイタリアに来たんだなぁ、とじわっと実感した。
心配していたロストバゲージにも遭わず、スーツケースは再び私の手元に。取っ手の事を考慮せずに揺る巻きになっていた美希色のベルトは消え去っていたけれど、クレームの付け方が分からなかったし、そんなに高価なものでもなかったので諦めることにした。
 そのまま表示に従ってローマ市内に出る直通鉄道、「レオナルド・エクスプレス」のホームへ。ホームはなんか、トイレみたいな匂いがした。途中、簡易カフェみたいな場所があって、エスプレッソの一杯でも飲めば良かったのに、この頃の私にはまだ余裕が全然無かったのでスルー。

 ホームには改札は無く(基本的に改札は地下鉄以外無いらしい)、切符を買ったらホームのあちこちにある黄色い機械に差し込んで刻印する。この刻印がないとキセル扱いされるらしい。そしてキセルの罰金はなかなかの大打撃らしい。
 駅には販売員のいる窓口と自動券売機が何台かあるんだけど、何故か券売機、すげー人気ない。券売機はガラガラなのに窓口にはオンリーの壁並に人が並んでいる。なので私は普通に券売機使いました。英語も選べるし、クレジットカードも使えます。細長い切符が手に入ったので黄色い刻印機に通す。が、浅く入れすぎたのかインクが薄かったのでもう一回。見事に二重刻印となりました。
 駅員さんに聞いたら二番線に次の電車が来るとの事だったので二番線へ。チケットを眺めていたら掃除のおじさんが私が迷っていると思ったのかチケットを見せてみろ、と英語で声をかけてきてくれて、
「どこへ行くんだ? ローマだろ? そうだ、このホームで合ってるよ。良い勘してるな!(意訳/CV勝部演之)」
みたいなことを言ってくれた。そのうち乗客がどんどん集まって電車も到着。基本的にイタリアの電車(地下鉄を除く)は出入り口が高く、スーツケースとか持ってると持ち上げるのに苦労する。後から考えてみたら、日本はホームを高くすることで車輪の高さを稼いでいるのかな、多分。だから乗るときはほぼフラット。
 車内は早朝のためか空いていて、向かい合わせの四人掛けの席が全部埋まっている箇所は無かった。私が出入り口近くの座席に座り、窓をぼんやりと眺めているうちに出発。まだ市街地内ではないので畑とか廃屋とかそういうのばっかりの風景だった。廃墟好きの私としてはカメラを構えてwktkしてたんだけど、そのうちどの廃屋にも洩れなく大々的にラクガキがされていることに気付き、
「廃墟って言うのはね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ、独り静かで豊かで……」
とか脳内で垂れ流すようになっていた。
そのうち検札が回ってきたので二重刻印した切符を差し出す。回ってきた女性車掌さんは怪訝そうだったけどまぁ、いいやって感じで切符を返してくれた。車両の前の方にいた旅行者のグループは刻印をしていなかったらしく、車掌さんと何か揉めていた。
 そのうち外の風景の中に高層マンションが混じり始め、それが無くなったと思ったらローマの玄関口テルミニ駅に到着。多分、9時くらいだったと思う。空港からテルミニ駅までは30分くらい。直通だし、楽でした。
vol.2 ローマ一日目に続く。